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Power BIでフォルダーごとの使用容量を可視化する

Power BIでフォルダーごとの使用容量を可視化する Power Query応用

仕事をしているとファイル共有などは、ファイルサーバーを使うことが多いと思います。

ファイルサーバーは便利なのですが、複数人が使うためファイルがどんどん増えていきます。

定期的に削除が必要ですが、ただ単に消してくださいと連絡しても、中々消してくれないのが実情だと思います。

(自分が作ったファイルなら自分の判断で消せますが、他人が作ったファイルは削除しにくいですよね。)

そういうときは、フォルダーごとに使用容量を可視化して、どのフォルダーが容量を圧迫しているのかを調べるのは効果的です。

フォルダーごとに使う人って限られていたりしますし、使用容量が大きいところから削除するほうが効果的だからです。

本記事は、「Power Queryでフォルダー内のファイル一覧を取得する」の応用的な話になります。

本記事で使用したPower BI Desktopのバージョンは、「2.141.1558.0 64-bit (2025年3月)」になります。

Power BI Desktopのバージョン

事前準備

Power BI Desktopをインストールする

Power BI Desktopのインストール方法は2つあります。

  • Microsoft Storeからインストールする
  • インストーラーをダウンロードしてインストールする(ダウンロードページ

Microsoft公式の「Power BI Desktop の取得」でも解説されています。

当ブログで詳しく解説しているので、もし分からなければ次の記事を見てください。

使用容量を調べたいフォルダーを決める

フォルダーにあるファイルごとのサイズを調べて、フォルダーの使用容量を計算します。

サブフォルダーも含めたファイルが全て取得することになるため、ファイル数が多い場合はルートフォルダー(一番上位の階層)ではなく、いくつか下の階層を指定して対象を絞るほうが良いです。

フォルダーのアクセス権限を確認する

フォルダーのアクセス権限が必要になります。フォルダーが参照できない、フォルダーにあるファイルの情報が取得できないためです。

アクセス権限があることは事前に確認しましょう。

フォルダー内のファイル情報を取得する

フォルダー内のファイル一覧を取得する

「ホーム」タブの「データを取得」をクリックします。

データを取得する

「フォルダー」をクリックし、「接続」をクリックします。

フォルダーに接続する

「フォルダーパス」に使用容量を調べたいフォルダーのパスを入力し、OKをクリックします。

フォルダーパスを指定する

「データの変換」をクリックします。

フォルダーデータ変換

この時点で、接続したフォルダーのサブフォルダーを含む全ファイルが取得されます。

「Content」列はファイルの中身になります。今回は不要のため列を右クリックして「削除」をクリックします。

「Content」列を削除する

「Content」列は、同じレイアウトのファイルを結合して一つの表にしたい場合は必要になります。

ファイルサイズを取得する

ファイルサイズは「Attributes」列に格納されています。

「Attributes」列の↔️ボタンをクリックし、「すべての列の選択」のチェックを外し、「Size」のみをチェックしてOKをクリックします。

ファイルサイズを取得する

ファイルサイズが取得できました。

ファイルサイズの取得結果

デフォルトではデータ型が「すべて」になっているため、「整数」に変更します。

ファイルサイズ列をクリックし、「変換」タブー「データ型」ー「整数」をクリックします。

ファイルサイズ列のデータ型変換

フォルダーを階層ごとに区切る

フォルダーの階層ごとにドリルダウンして、使用容量が大きいフォルダを特定することがあります。

階層ごとに区切ったほうが分析しやすいため、「Folder Path」列を右クリックして「列の分割」ー「区切り記号による分割」をクリックします。

区切り記号による分割

区切り記号:「カスタム」を選択し、バックスラッシュを入力します。
分割:「区切り記号の出現ごと」を選択します。
詳細設定オプション:▼ボタンをクリックして中身を展開し、分割後の列数が少なければ数を増やしましょう。

設定が終わればOKをクリックします。

区切り記号による列の分割の設定画面

フォルダーが階層ごとに分割できました。

フォルダーを階層ごとに分割

ファイルサイズをキロ、メガなどの単位変換する

ファイルサイズを取得しましたが、単位がバイトです。1ファイルはキロバイトやメガバイトが多いと思いますので、これでは分析しにくいです。

キロ、メガなどの単位変換しましょう。単位変換した列を追加します。

「列の追加」タブを開き、「カスタム列」をクリックします。

カスタム列を追加する

「新しい列名」に「ファイルサイズ(KB)」を入力、「カスタム列の式」に次の式を入力し、OKをクリックします

=[Attributes.Size] / Number.Power(2, 10)

Number.Power関数を使っていますが、2^10(2の10乗)という意味です。2^10=1,024になります。

これは、1,024バイトが1キロバイトになるためです。

キロバイトに単位変換する数式

キロバイトの単位変換した列が追加されました。

キロバイトに単位変換した列を追加

次はメガバイトに単位変換した列を追加します。

「新しい列名」に「ファイルサイズ(MB)」を入力、「カスタム列の式」に次の式を入力し、OKをクリックします。

=[Attributes.Size] / Number.Power(2, 20)

2^20(2の20乗)なので、1,048,576になります。これは、1,024キロバイトが1メガバイトになるためです。つまり1バイト=1,024×1,024で1,048,576というわけですね。

メガバイトに単位変換する数式

メガバイトの単位変換した列が追加されました。

メガバイトに単位変換した列を追加

列を追加した時点では数値型になっていないため、データ型を変換します。

先ほど追加した「ファイルサイズ(KB)」、「ファイルサイズ(MB)」列を選択し、「変換」タブー「データ型」ー「10進数」をクリックします。

データ型を10進数へ変換する

データ型が変換されました。

データ型変換後

列名を日本語名に変更する

列名が英語のため、分かりやすいように日本語に変更しましょう。

列名を変更する

変更例は下表になります。

変更変更
Nameファイル名
Extension拡張子
Date accessed最終アクセス日時
Date modified最終更新日時
Date created作成日時
Attributes.Sizeファイルサイズ(Byte)
Folder Path.1第1階層
Folder Path.2第2階層
Folder Path.3第3階層
Folder Path.4第4階層
Folder Path.5第5階層

データの取得・加工が終わりました。グラフなどに出力します。

「ホーム」タブを開き、「閉じて適用」をクリックします。

Power Queryエディタを閉じて適用する

グラフなどを作成して分析する準備が整いました。

閉じて適用後の画面

フォルダー階層ごとにドリルダウンできるレポートを作成する

フォルダーの階層を作成する

フォルダーの第1~第5までの階層ごとに列を作成しましたが、分析するときにドリルダウン出来るように階層構造にします。

第1階層を右クリックして、「階層の作成」をクリックします。

「第1階層 階層」という名前の階層ができました。分かりにくいので、右クリックして「名前の変更」からフォルダーに変更します。

名前が変更できました。

第2階層以降も階層に追加していきます。第2階層を右クリックー「階層に追加」ー「フォルダー」をクリックします。

第5階層まで追加すると次のような画面になります。

どのフォルダーの使用容量が大きいか分かるための円グラフを作成する

「視覚化」ー「ビジュアルのビルド」の中にある「円グラフ」をクリックします。

円グラフが追加されます。

「凡例」に「フォルダー」を追加、「値」に「ファイルサイズ(MB)」を追加します。

「データ」からドラッグアンドドロップで持ってくるか、チェックをつけると追加されます。

これでフォルダーごとの使用容量が可視化される円グラフが作成できました。

ファイル一覧を表示するテーブルを作成する

「視覚化」ー「ビジュアルのビルド」の中にある「テーブル」をクリックします。

テーブルが追加されます。

「列」に「フォルダー」、「ファイルサイズ(MB)」、「ファイルサイズ」を追加します。これでファイル一覧の表が作成できました。

分析する

円グラフを右クリックして「ドリルダウン」をクリックします。

ドリルダウンしたフォルダーにあるサブフォルダーが表示されます。使用容量が大きいフォルダーが視覚的に分かります。ドリルダウンで下の階層に辿っていきます。

テーブルが、ドリルダウンした階層のフォルダーにあるファイルのみに絞られます。

これでファイルサイズが大きいファイルが見つけやすくなります。

Power Queryの学習に役立つおすすめ本
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プロフィール
たがみ

IT業界20年程度のシステムエンジニアです。
構築したシステムのデータ検証をExcelで実施することが多く、検証作業の効率化を模索しているときにPower Queryと出会いました。
Excel業務効率化の手助けになればと当ブログを解説しました。
今ではデータ分析でPower BIを活用しており、Power BI、Excelの両方でPower Queryを活用しています。

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