毎月システムから出力したCSVファイルを、Excelに貼り付けて加工する作業を繰り返していませんか。しかも、開いた途端に「001」が「1」になったり、「1-2」が日付に化けたりして、修正に余計な時間を取られてしまう。そんな悩みを抱える実務担当者は少なくありません。
Power Queryを使えば、CSVの読み込みからデータ整形まで一連の手順を自動化できます。次回からはボタン一つで最新データに更新できます。
本記事では、ExcelでのCSV・テキストファイルの読み込み手順を、初心者でもつまずかないよう丁寧に解説します。

本記事で使用するサンプルデータ
本記事では、以下のような架空の「売上明細データ.csv」を使って手順を解説します。
注文ID,顧客コード,商品コード,注文日,数量,金額
001,2026-01,11-11,2026/04/01,5,25000
002,2026-02,5-1,2026/04/02,2,8400
003,2026-03,3-2,2026/04/03,1,5000
注目してほしいのは 「注文ID」「顧客コード」「商品コード」 の3列です。いずれも先頭ゼロ・ハイフンを含む文字列であり、Excelがそのまま開くと誤変換が起きやすい典型的なケースです。
Excelで開くと、注文IDは先頭ゼロを削除、顧客コード、商品コードは日付形式に変換されてしまいます。

実際の手順
手順1:CSVファイルを取得する
「データ」タブ ー「テキストまたはCSVから」をクリックします。

「データの取り込み」ダイアログが表示されます。読み込みたいCSVファイルを選択し、「インポート」をクリックします。

ファイルを選択すると、プレビューダイアログが自動で開きます。ここでは次の3点を必ず確認してください。
- 「元のファイル」(文字コード): 日本語のCSVはShift-JIS(932: 日本語(シフトJIS))またはUTF-8(65001: Unicode(UTF-8))が多いです。文字が正常に表示されているか確認します。
- 「区切り記号」: CSVなら「コンマ」、タブ区切りテキストなら「タブ」が選ばれているはずです。
- データのプレビュー: 列が正しく分かれているか目視確認します。サンプルデータを使用した場合は、注文ID、顧客コード、商品コードが意図しない値になっています。
プレビューに表示されるのは上位200行のサンプルです。全データではないため、後続の行に異常がある可能性はゼロではありません。

プレビュー画面右下の「データの変換」ボタンをクリックします。
「読み込み」を選ぶと、Power Queryエディターを経由せずに直接Excelシートへ取り込まれ、データ型の誤認識がそのまま残ります。基本的には「データの変換」を選んでエディターを開いてください。

手順2:データ型を確認・修正する
手順1で「データの変換」をクリックした後、Power Queryエディターが起動します。

Power Queryエディターでは、各列のヘッダー左側にデータ型アイコンが表示されています。
| アイコン | データ型 |
|---|---|
| 123 | 整数 |
| 1.2 | 小数点数 |
| ABC | テキスト(文字列) |
| 📅 | 日付 |
サンプルデータの場合、「注文ID」が 123(整数)と誤認識されているはずです。001 が 1 になってしまっているケースです。「顧客コード」、「商品コード」は日付とご認識されています。
修正する列を選択します。複数列をまとめて変更する場合は、Ctrl キーを押しながら列を複数選択できます。

「ホーム」タブー「データ型」をクリックし、「テキスト」をクリックします。

「現在のものを置換」をクリックします。

テキスト型に変更されました。

背後で記録されているMコードは次のようになっています。
= Table.TransformColumnTypes(昇格されたヘッダー数,{{"注文ID", type text}, {"顧客コード", type text}, {"商品コード", type text}, {"注文日", type date}, {"数量", Int64.Type}, {"金額", Int64.Type}})これだと分かりにくいので、コメントを付与しました。
// データ型をテキストに変更するステップ(Power Queryが自動生成)
// 「注文ID」「顧客コード」「商品コード」の3列をテキスト型に変換する
= Table.TransformColumnTypes(
昇格されたヘッダー数,
{
{"注文ID", type text}, // 先頭ゼロを保持するためテキスト型に
{"顧客コード", type text}, // ハイフン区切りを文字列として扱う
{"商品コード", type text}, // 同上
{"注文日", type date}, // データ型はPower Queryが自動設定
{"数量", Int64.Type}, // データ型はPower Queryが自動設定
{"金額", Int64.Type} // データ型はPower Queryが自動設定
}
)手順3:Excelシートに読み込む
データ型の修正が終わったら、「ホーム」タブ ー「閉じて読み込む」をクリックします。

Excelシートに、整形済みのテーブルとしてデータが読み込まれます。次回CSVが更新されたら、テーブル内を右クリックし「更新」を選ぶだけで最新データに切り替わります。

よくあるトラブルと対処法
文字化けが発生する場合
症状: 日本語が「��」や「縺ゅ→縺ァ」のように表示される。
原因: CSVファイルの文字コードと、Power Queryが選択している文字コードが一致していません。日本のシステムが出力するCSVはShift-JIS(コード番号:932)が多い一方、近年のサービスはUTF-8(コード番号:65001)を採用しています。
対処法:
- プレビューダイアログの「元のファイル」ドロップダウンをクリックします。
- 「日本語(シフトJIS)」または「Unicode(UTF-8)」へ変更します。
- プレビューが正常に表示されることを確認します。
区切り文字がうまく認識されない場合
症状: 全データが1列にまとまって表示される、または列の分かれ方がおかしい。
原因: Power QueryはCSVをコンマ区切りのファイルとして扱います。テキストファイルの場合は区切り記号を自動判断しますが、タブ区切りや半角スペース区切りのTSVファイルを .csv 拡張子で保存したケースは、誤認識することがあります。
対処法:
- プレビューダイアログの「区切り記号」ドロップダウンを実際の区切り文字(タブ・セミコロンなど)に変更します。
- データが正しく列分割されることを確認します。
データ型が意図通りに変換されない場合
症状: 「001」→「1」、「4-1」→「2026/4/1」(日付)のように変換されてしまう。
原因: Power Queryが列のデータ型を自動判定し、数値・日付型として認識してしまっています。Excelで直接CSVを開いた場合と同じ現象ですが、Power Queryなら修正できます。
対処法: 詳細は「手順5:データ型を確認・修正する」を参照してください。
先頭行がヘッダーとして認識されない場合
症状: 列名が「Column1」「Column2」となり、本来のヘッダー行がデータの1行目に入ってしまう。
対処法:
- Power Queryエディターで「ホーム」タブ ー「1行目をヘッダーとして使用」をクリックします。
- 列名が正しく設定されることを確認します。
一歩進んだ活用:複数CSVファイルをまとめて読み込む方法(フォルダー取得)
「毎月の売上CSV(2026年4月分.csv、2026年5月分.csv…)を一つのテーブルにまとめたい」という場合は、フォルダーからの読み込みが有効です。
フォルダー内のすべてのファイルが読み込まれるため、非常に便利です。詳しくは次の記事で解説しています。
まとめ
本記事で解説した内容をまとめます。
- 「データの変換」を必ず選ぶ: プレビューダイアログで「読み込み」ではなく「データの変換」を選び、Power Queryエディターでデータ型を確認してからExcelに取り込む。
- 文字コードと区切り文字の確認がカギ: 文字化けや列分割の乱れは、プレビューダイアログの「元のファイル」と「区切り記号」の設定を変えるだけで解決できることがほとんど。
- 先頭ゼロ・ハイフン含む列はテキスト型に変更: コードや番号など、数値として扱うべきでない列は必ずテキスト型に変更する。
- 一度設定すればワンクリック更新: クエリは保存されるため、次回以降はExcelを開いて「更新」するだけで最新データに反映される。
- 複数ファイルはフォルダー取得で一括読み込み: 月次CSVの蓄積など、同一構造のファイルが複数ある場合はフォルダーからの読み込みで自動集約できる。
まずは本記事で紹介した基本手順(単一CSVの読み込みとデータ型修正)を、手元の実際のCSVファイルで試してみてください。繰り返し作業からの解放への第一歩になります。



